2010年10月20日

夢の自販機

オレがガキの頃の話を今日は少ししてやろう。



旧小笠郡大東町の中心である大坂というところでオレは生まれた。




大東は田舎だ。オレ中学生になった頃にようやくコンビニができた。信号も地区によっては1つもないとこがあった。山には熊がでて海にはサメが出る。天然のサファリパークのような町で育った。そしてオレが中学2年の時にようやくエロ本の自動販売機が通学路に出来た。ようやくの意味が良くわからんが、ようやく出来たなと勝手にガキながら思ったんだな。
当時のオレには夢を売る自動販売機に見えた。24時間輝き続ける夢の自販機。こいつと出会った時はまさかこいつが俺の人生を変えるだなんて夢にも思わなかったよ。




当時1か月の小遣いが1500円。中学2年じゃ少ない方かな。俺は夢の自販機で1200円のビニールに大切にくるまれた夜の教科書を買うため中学2年の貴重な夏休みから金を少しづつ貯めだした。人生でやる初めての貯金だったな。
まぁ色々節約したぜ。大好きなメローイエローやジョルトコーラ・ミスティオは一切呑まなかった。知ってるか?ジョルトコーラは普通のコーラと比べて炭酸が2倍入ってたんだぜ!そいつを振りまくった後に人に向けて缶を開けたらどうなるか解るよな?一夜にしてクラスの嫌われ者に成り上がれる代物だったぜ。





金が出来たのは2か月後だった。あれはキンンモクセイの匂いが香りだした秋だった。今でも覚えてる。晩飯を食べたオレは1人家から飛び出しあの場所へ向かった。そうだ今夜いよいよ決行だ!夢の自販機と対等に向き合える日が来たんだ!なんなんだろう…オレもいろんな悪さをしてきたが、あの時ほど罪悪感を感じながら家を飛び出した時はなかったな。そしてあの時ほどキョロキョロしながら夜道を歩いた事はないだろう。あきらかに不審なガキだ。


家から小走りで8分。ついに辿り着いた夢の自販機を前にオレの胸は高鳴ったよ。そしてオレのジュニアも興奮を抑えきれなく…ジュニアがどうなってたかはここには書けないがな。まぁ解るだろ?テントを張ってたんだよ。ジュニアがな。



夢の自販機は2台ならんでいた。オレの欲しかった夜の教科書は右側の上から2番目の真ん中。金を慎重に入れて間違えないようにボタンを押さなければと2回ほど深呼吸をした。


そして…押したよ。強く。願いを込めて。押したよ。間違いなくな。真ん中のボタンを。




自販機から出てきた夜の教科書。それはビニールに包まれて出てきた。オレが人生で初めて自分で買った夜の教科書だ。ゆっくりと持ち上げたよ。そして大切に抱き抱えた。さぁ長居は無用!夢の本を背中とパンツの間に刺した。上から来ていたジャージをかぶせてカモフラージュの完成だ。これを持ってることを誰にも気づかれちゃいけねーからな。小走りで帰路につく。その小走りがいつしかスキップに変わり途中で背中から夜の教科書が2度3度落っこちたのはわざわざ説明しなくてもわかるよな?



家についてビニールを開けたよ。誰にも気づかれずに宝を手に入れた最高の気分だったよ。



タイトルは…



『放課後スクール』



的な感じだった。自販機の見本の表紙の女の子がかわいくてしかたなかった。




ビニールから出てきたのは…




『〇妻レンタル便』













WHY(゜レ゜)?どーゆーこと?(゜レ゜)ねー?ねー?どーゆーこと?



ねーねー?これ詐欺?詐欺ってやつ?






かあーちゃんより20歳以上も年上だと思われるおばさまがこっちを向いて笑ってやがる。

自販機の見本と出てきた中身がちがったのだ。

震えたよ…





ガクガク震えたよ…




2日ほど震え続けたよ…<



中2にして人生初めての詐欺の被害者になった。
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ガキの俺には未知の世界。捨てたよ。惜しげもなくね。次の日そーっと近所の川に放り込んでやった。まだ踏み込んじゃいけない世界だってガキながらに気づいたんだな。




それからのオレはホント荒れた。がんばっても報われないんだって考えちゃって、何に対しても否定的。悪さにあけくれたよ。




自転車通学ではない地区に住んでたのに学校へ自転車で通ったり

学校でガム食べるの禁止だったからグミを噛んで学校にいったりもしたな。先生に止められたが『ガムじゃねーよ!グミだコラァ!』って噛みついてやったぜ。もちろん先生にその後ボコボコにされたがな。

よく休み時間の間にムカツク奴のイスに画鋲をセットした。授業開始のチャイムが鳴り席についたそいつが『イテーーーー』って立ち上がる尻に画鋲が刺さってると何故だか最高の幸福感を得れたんだ。だがその次の休み時間の間にオレの席にはアロンアルファで接着された5寸釘が立てられていたけどな。

教室の近くのトイレでウ〇コをする奴は全部トイレの上からのぞいてやった。オレに見られた奴のあだ名はみんな『ウ〇コマン』になったな。誰もオレに逆らえなかった。そしていつしかオレも学校でウ〇コができなくなって困った。

クツのかかとも踏み出したのはこの頃からだ。かかとを踏むなと先生達がうるさかったからオレはかかとを切り取って学校生活を送ってたな。もちろん先生に怒られたが『かかとねぇーーしwwかかと踏んでねーし』って噛みついてやったぜ。もちろんその後先生にポコポコにされて新しい上靴を買わされたがな。

タバコもやったね。むせたね。むせ続けたね。『1日1箱は吸うな』って調子こいて後輩に語ってた。実際は1週間に1本だったがな。フカシでな。むせるからな…。


酒も浴びるように呑んだ。バイオレットフィズを死ぬほど薄めてね。スプライトで割るのが当時オレらの最も粋な酒の飲み方だったんだ。トライアングルは嫌いだった。みんなはうまいうまいとお茶割で呑んでたたが。オレには無理だ…むせるから。後輩にはカクテルじゃ酔わねーからトライアングルをロックで毎晩オヤジと晩酌してるって語ってたな。実際は口すらつけたくない酒だと思ってた。むせるからな…。



こりなかったオレはその後、夢の自販機と2回戦ったが全敗だった。S〇モノと熟〇モノを見事引き当てたよ。オレが人生で唯一全敗を喫した相手だよ。



同世代のパパになったやつら!!お前らの息子にはオレのような人間に育って欲しくないから…



夢の自販機には近づけるなよ(゜レ゜)



あばよ(゜レ゜)












































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この記事へのコメント
久々です

こんなに腹抱えて笑ったの

この手のネタツボです

改めて天才をかんじました

今日は行けなくごめんねぇ

また小話期待してます
Posted by 441 at 2010年10月21日 09:42
441様

いつもコメントありがとね。

円高だね。

いつもコメントありがとね。
Posted by すぎにぃすぎにぃ at 2010年10月25日 23:41
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    コメント(2)